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2008年02月26日

<ジャ同エッセー>「ロス疑惑」三浦和義氏逮捕!の衝撃/米国は「有罪の確証」つかんだ?:長沼節夫(ジャーナリスト、写真も)

monnjo.jpg(写真1)ロス市警発行の記者発表文。23日付の「逮捕のお知らせ」と25日付の「記者会見のおしらせ」
[東京=「ジャーナリスト同盟」通信提供]「重大犯罪に時効なし!」――。話題といえば「9・11」とそれに続く」イラク戦争のみという情けない「ブッシュのアメリカ」ながら、カリフォルニアは何とすばらしい条文を持っているのだろう!カリフォルニア州法によれば、死刑・終身刑が適用される罪については時効がなく、事件後、いつまでたっても容疑者の逮捕・起訴が可能なのだと、今回、新聞報道で知った。いわゆる「ロス疑惑」の三浦和義氏(60歳)が22日(日本時間23日)、サイパン島で逮捕された。日本では既に無罪が確定している事件だ。今回の逮捕が正当か不当かはなお、今後の推移を待たなければならないが、それはともかく、重大犯罪に時効なしという理念がすばらしいと思う。一方、わが側日本では・・という部分は後述するとして、まず逮捕の概要を知るために、警察発表を見る。

miura.jpg(写真2)ロサンゼルスの一美さん銃撃現場に立つ筆者(長沼)=1984年3月、北岡和義記者撮影

 以下は、ロサンゼルス警察のホームページに2月23日付で掲載されたニュースリリースからの訳出である。(写真参照)
見出し=未解決殺人事件捜査班が男を確保
本文=ロサンゼルス発:長年にわたり捜査の網をかいくぐってきた殺人事件容疑者をついに捕まえた。

 2008年2月21日午前9時30分、ロサンゼルス市警未解決殺人課の刑事たちは、三浦和義(60歳)を、妻三浦一美に対する殺人および同共謀容疑で出されていた逮捕状が執行され、逮捕されたという連絡を受けた。

 三浦夫人(当時28歳)は1981年11月18日、市内中心部のフレモント通り200番地で銃撃を受け、意識を回復することなく翌年11月30日、日本で死亡した。

 三浦の拘束は合衆国自治領である北マリアナ諸島に位置するサイパン島にて行われ、身柄は警察署内留置場にある。未解決殺人課は三浦氏が居住地である日本から、グアム・サイパン地域を訪問するとの情報を受けて同地域当局の緊密な協力を受けた。

 三浦は2月22日昼ごろサイパン空港で逮捕された。

 三浦の(サイパンから米国への)身柄引き渡しについては未定。現時点でこれ以上付け加える情報はない

 「三浦氏逮捕」の第一報が飛び込んできたのは23日土曜夜。それ以降、日本マスコミは「ロス疑惑」一色である。しかし中身は「日本では状況証拠は証拠ではないが、米国では立件されるに十分な証拠となる」という論調が主流だ。

 しかし、日本の事情を十分に知る米当局が、過去と同じ「状況証拠」を根拠に起訴して日本側から「ほらね」とささやかれて、平気でいられるだろうか。筆者はそう思わない。日米捜査当局の違いは、「状況証拠」の捕らえ方だけではない。日米の司法制度における最大の違いはイミューニティー、すなわち「免責特権=司法取引」これである。

 これはあくまで「三浦氏が殺人および共謀で有罪」を想定した場合であるが、逮捕理由の中に「殺人」に加えて「共謀」(コンスピラスィー)の言葉があるのは、保険金目当ての嘱託殺人を指しているのだろうか。殺人依頼人から実行犯への支払が行われたなら、捜査当局は支払いルートの追跡とその証拠書類を確保していなければならない。また実行犯は通常、報酬を受け取った後にも、依頼者に対して「口止め料」を請求するかもしれない。これらのやり取りを追跡すれば捜査当局は、「依頼者」と「実行者」、および両者の接触ルートを特定することが可能となる。

 さてここから後が日米の違いだ。

 日本では司法取引が許されていない。しかし米国ではそれが可能だ。捜査当局が実行者に対し、「お前の罪は問わない。その代わりお前の犯行の手口を全て明らかにせよ」と持ちかけて、捜査協力を依頼するとする。もしも実行者が司法取引に応じた場合、「三浦氏有罪」は現実となる。

  時効の壁は厳しい現実だ。わが祖国日本の法律によれば、死刑も含まれる犯罪の場合は25年、無期に相当する犯罪の場合は15年が時効と定められている。この時効の壁に、私たちはこれまでどれだけ泣かされてきたことであろうか。犯人が捕まらないまま「朝日新聞」小尻記者殺害事件(1987年5月)の時効を迎えたあの2002年5月の「憲法記念日」を、どれだけ悔しい思いで迎えたことか!また、日本政府に謝罪と補償を求める元強制従軍慰安婦のハルモニ(韓国)やロラ(比国)たちが、どれだけ「時効」という名の厚い壁に苦しめられてきたことか!

 「真実に時効なし」と同じように、「凶悪犯罪に時効なし」は実に素晴らしいことだ。

2008年02月26日 18:43

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