<< 映像と文化通信 『写真家と芸術論』 2.E.Haas :ケイ・イシカワ | メイン | <ジャ同エッセー>在日韓国人元政治犯の名誉回復はいつ?李佐永・元「家族・僑胞の会」会長死去が残した課題:長沼節夫(ジャーナリスト、写真も) >>
2008年04月01日
寄稿「マキハダづくりを追って」Ⅳ:福島俊弘
![]()
マキハダ(槙の樹皮・マキハダ)について研究している天理市立北中学校夜間学級(夜間中学)の教員、福島俊弘さんのレポートを紹介しています( 毎週火曜日に連載-鄭容順)
製造過程」
桜井での製造過程をみる。
(1) 木から皮をむきとる
桧の木のあら皮をそぎとる。まず、3尺余りの幅で切り目を入れて、鉄製のヘラを差込みながら形成層あたりで皮と木部を取り分ける。次に、外皮と内皮を包丁で分ける。外皮は寺や神社の屋根に使用する「桧皮」になる。マキハダ用として内皮部分を使う。
(2) 皮を天日干しする
概ね5寸幅で長さ3尺の皮を川や池の堤防や広場に広げて干し乾かす。刈り取りが終わった田んぼ一面に広げられた「皮の絨毯」風景を記憶している地元の人は多いと聞く。
(3) 水に浸けて晒す
皮に含まれている灰汁を抜くために水に晒す。池に浸ける場合は、皮10枚くらいを紐で束ねて夕方に入れる。水に浮かんでいる部分のアク抜きができないので、上下をひっくり返す必要がある。そのために夜半に、3m程の竹の先に引っ掛け鉤の付いた棒で作業がなされた。この作業がかなり重労働であった。
(4) 天日干しする
一晩水に晒した皮を、再度天日干しにする。
(5) 室で乾燥する
十分乾かした皮を、「室」で人工的に乾燥させる。「室」は、煉瓦で四方を囲んだ6m×4m(大きさは様々)の半地下になっていて、蓋は木枠にトタンで防熱を施している。熱源は、木材を鋸で切る時に出来るおが屑を燃やすことによる。この火の管理が難しい。職人の勘が頼りになる。
(6) 叩く
乾燥した板を7・8枚重ねて叩いて繊維をほぐす。機械化するまでは横槌を使って手で満遍(まんべん)なく叩いた。
(7) ほぐして縄状にする
叩いて柔らかくなったものを足の第1指と第2指の間に挟み両手で捻じってほぐす。その後、縄状に綯うと製品になる。
⊿お断り⊿2001年、奈良県立民俗博物館「民俗だより」85、民俗を博物館だよりVol34 No2(通巻99号)から。
*参考資料は横山浩子「マキハダ―県内における桧皮繊維利用の―例―」(『民族博物館だより』85、奈良県立民俗博物館2001年)。
本稿の「朝鮮人」とは朝鮮半島出身者を総称として使用。
【写真説明】室に内皮を並べておが屑の火で乾燥するところである。写真提供は福島俊弘さん。
2008年04月01日 00:41