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2008年05月10日
コラム「風」:片山通夫
「ロシア式今様双頭体制」
7日に新大統領が就任し、8日、プーチン首相が誕生した。二つの頭を持つ巨人。これがロシアの形容詞となりそうだ。この巨人、二つの頭をどのように使い分けるか、いや使い分けることができるか興味深い。冗談だろうが、知り合いの新聞記者は「洞爺湖サミットにプーチン氏が後ろで操る人形使いとして来るんじゃないか」とのたまう。
▲毎日新聞(7日)によるとプーチン氏は「人生の最後までロシアを守る責務に従事し続ける」と退任演説でぶったという。とことんやるつもりなのだ。メドベージェフ新大統領は「市民社会、経済活動の自由を守り、(政府機関内の)腐敗との戦いを進める」と決意したと言うが、プーチン時代(も含む)に起こったと思われる「(政府危難内の)腐敗との戦い」はどうなるんだろう。
▲原油高に助けられて、ロシアの経済は目覚しい躍進を遂げたが、プーチン大統領時代はチェチェン戦争、メディア統制、治安・情報機関の経済活動への介入など、負のイメージが付きまとった。メドベージェフ新大統領がこれらの問題に関してどのように対処する所存かは就任演説での15分間では計る事はできない。
▲当面、首相として就任したプーチン氏の路線から外れる事はないだろう。問題はプーチン時代に甘い汁を吸い続けてきたクレムリン内部の人間にとって、法秩序の確立、汚職撲滅という課題はとても容認できる話ではない。今後、下手をすればクレムリン内部での権力抗争が激しくなる可能性が高い。
▲そのために「プーチンと言う重石」が必要だとうがった見方も聞こえてくる。しかし一旦大統領という最高権力を握ったメドベージェフ氏が、いつまで「プーチンの操り人形」で甘んじていられるか疑問だ。新大統領が独自色を出せるか否かその最初の試金石が今月にも行われる大統領の中国訪問と洞爺湖サミットなどの外国訪問にある。
▲まさか件の記者が言うように、サミットに首相としてプーチン氏も参加するとは思えない。メドベージェフ大統領は単なる傀儡か、それともプーチン首相がにらみを利かせるのは当初の政権以降時だけで、新大統領は独り立ちできるか、このあたりを注視したい。独り立ちできたらロシアも民主国家と国際社会で認められる。
「ロシア式今様双頭体制」は短期で終わらせるべきだ。
2008年05月10日 06:35