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2008年09月17日
映写室 NO.168 蛇にピアス:犬塚芳美
―男の突き出した二つに割れた舌(スプリットタン)―
刺青をしたり鼻や唇のピアスと、際限なく体に細工する若者たち。正直なところ、彼らの美意識が解らない。でも解らないなりに何を考えているのかに興味があるのは、透けて見える痛さが私の虚無感と何処かで重なりそうに思うからだ。そんな心理を瑞々しいタッチで描写した金原ひとみの原作を、蜷川幸雄が孤独を真正面に据えて映像化した。
体の痛みでしか実感できない「生きている証」、社会に押しつぶされそうな若者の孤独が浮かび上がってくる。もしかしたら生きるということに対して、彼らは私たちよりずっと真摯に問い続ける哲学者かもしれない。時代の虚無感が彼らを追い詰めているのかもしれないとも思う。作り物で変形した彼らを見ていると、現代社会はもう人間の住処ではないのかもしれないと思ったりもする。
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(C) 「蛇にピアス」フィルムパートナーズ
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2008年09月17日 07:43
