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2008年10月01日
映写室 NO.170 トウキョウソナタ:犬塚芳美
―大都会の危うい日常と確かなもの―
アメリカが発信源の大規模な金融不安が世界を覆っている。数ヶ月前、ある弁護士さんが「サブライムローンの破綻はもっと大きな影響が出るよ」とさりげなく仰ったけれど、それが現実になってきたのだ。もっとも、その前からだって日本の中高年は崖っぷち。わが世の春を謳歌するエリートですら、一度転げ落ちると昨日までの全ては泡のように消えていく。
<黒沢清監督が描くのは>、そんな世相をすくい取った、きらびやかな筈の大都会トウキョウを支える庶民、線路沿いの小さな家で暮らす4人家族の物語です。都市にもハレと日常があるなら、これは限りなく日常の、しかも日陰の顔。香川照之の演じるリストラされた父親の葛藤と悲哀が胸に迫る。父親に頼った家庭の安泰はこんなにも危うい。でも最後には、そこにもあるかすかな希望が描かれる。今年のカンヌ国際映画祭で「ある視点」部門審査員賞を受賞しています。
(c)2008 Fortissimo Films/「TOKYO SONATA」製作委員会
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2008年10月01日 07:00
